今回はハウスエッジについて解説します。

ハウスエッジというのは、賭け事やギャンブルには必ず設定されているものです。日本では控除率と呼ばれたり江戸時代には寺銭と呼ばれて一般的なものとして設定されてきました。オンラインカジノでもリアルカジノでもギャンブルである以上このハウスエッジが必ず設定されているので、カジノで遊ぶ際には知っておいたほうがよい知識の一つです。とくにカジノで大きな損失を出したくないとか、少しくらいは勝ちたいと考えている場合はしっかりと身につけておくことをお勧めします。

ハウスエッジとは

ハウスエッジとは賭け事やギャンブルに設定されている手数料のことです。通常は%で設定されています。この手数料はカジノ運営者(胴元)の取り分になります。カジノ運営にはお金がかかります。機械の維持費、お客さんをもてなす人の給与、電気代、カジノゲームの設置初期費用、そして運営者の利益です。こうした費用や利益を賄うためにハウスエッジとして設定された手数料が差し引かれています。ハウスエッジは世界中の賭け事のほとんどで設定されており、現在の日本の公営競技と呼ばれる競馬や競輪にも設定されています。また身近なギャンブルであるパチンコやパチスロにも設定されています。

ところがオンラインカジノでもリアルカジノでも手数料が引かれた経験ってありますか?オンラインカジノで手数料を支払ったことのある方というのは誰もいないはずです 。では運営者はどのようにしてハウスエッジを徴収しているのでしょうか?

ハウスエッジの徴収方法

日本でも昔から賭博は身近な娯楽でした。その当時は適当な場所が他になかったのか、禁止の目をかいくぐるためのなのか、その両方の理由からなのかわかりませんが、お寺に集まって賭博を行っていたことが多かったようです。もともとお寺や神社の経済的な貧困化を防止するために境内での商売を奨励していたようですがそれをうまく利用したようです。そのため賭博に参加する手数料のことを寺銭と呼ぶようになりました。寺銭は手数料という形で運営者に支払うため、はっきりしていました。これに対してオンラインカジノだけでなく、競馬や競輪、パチンコでも参加するための手数料は徴収されていません。これは徴収方法が進化したためです。

1867年のフランスで現在も残るムーラン・ルージュの演出家として名を残すジョセフ・オレールという方が新しい手法を生み出しました。それはすべての賭け金を一度プールしてそこからまず運営者の取り分となるハウスエッジを差し引いて、残った金額を当選者に分配するというものでした。この手法は非常に大きな支持をえて1891年にはフランスで正式に法制化されています。この手法のことをパリミュチュエル方式とよびます。詳細は別記事で詳しく解説していますので興味のある方はそちらをご覧ください。この手法は1888年に日本で初めて実施されて、現在では公営競技や宝くじの運営に採用されています。この手法では配当率などは最初は公開されません。

これとは別に1790年にイギリスの競馬場で新しい手法が生まれました。競馬でどの馬が勝つのかの倍率を最初に提示して参加者の賭けを募る手法でした。この手法では賭けを提示するブッカーと呼ばれる人たちが自分達の利益が残るように配当を計算しますが、時には大損することもありました。これをブックメーカー方式と言います。現在のオンラインカジノを含めたカジノやスポーツ賭博はこのブックメーカー方式を採用しています。

ブックメーカー方式でのハウスエッジの徴収方法

ブックメーカー方式では資金をプールしてハウスエッジを徴収するわけではなく、倍率の計算の中でハウスエッジを徴収するように倍率を設定します。わかりやすいようにルーレットを例に解説します。ルーレットは1-36の数字が用意されています。ルーレットの1目賭けの倍率は36倍です。しかし(ヨーロピアンルーレットの場合)実際には0という数字があり確率は36分の1ではなく37分の1になります。そのため実際の倍率は36/37=0.972倍になります。この時の0.28がハウスエッジとしてカジノ運営者の利益になります。もう少し一般的な赤と黒に賭けた場合で考えてみましょう。ヨーロピアンルーレットの場合赤と黒はそれぞれ18個ずつ用意されておりさらに0が用意されています。0は緑色なので赤と黒のどちらに賭けてもハズレです。プレーヤーが$1を賭けた場合プレーヤーが勝つ倍率は18/37=0.486倍です。簡単にいうと赤と黒に賭けた場合でも勝率は五分五分ではなく負ける確率がやや高いということです。オンラインカジノで使われているルーレットは2種類あり、ヨーロピアンルーレットでは0が一つ、アメリカンルーレットは0の他に00があります。そのためアメリカンルーレットではさらに勝つ倍率は下がることになります。そのため計算上は結果的にカジノ運営者が勝つ仕組みになっているというわけです。

しかしわずか数%で、しかも計算上の数字に過ぎないためカジノ運営者が負けることもあります。しかし「オンラインカジノをはじめとしたギャンブルでは必ず最後は運営側が勝つ」と言われるのも事実です。この理由を解説します。

ハウスエッジを理解するための基本知識:大数の法則

大数の法則というのは確率論や統計学における基本定理の一つです。どのようなものかというと「ある試行において特定の事象が起こる確率をpとして、莫大な数の試行を繰り返すと事象が起きた相対頻度が収束した値はほぼ確実にpである」ということです。なんのことなのかわかりにくいと思いますので具体例で説明します。サイコロの1-6が出る確率は計算上6分の1です。このサイコロを振り続けていくとどの数字もほぼ6分の1で出現するようになるということです。サイコロを10回とか20回振っただけだと1が多かったり5が出なかったりということがありますが、膨大な回数になるとほぼ計算上の確率と同様になります。

これをカジノのハウスエッジに当てはめてみましょう。ヨーロピアンルーレットでプレーヤーが赤と黒に賭けた場合の倍率は0.486倍だと説明しました。大数の法則に従えば何度も運営者が負けることが発生するものの最終的にはほぼ0.486になることから、統計上カジノ運営者は最終的には必ずハウスエッジを確保できる計算になります。

いかがだったでしょうか。パリミュチュエル方式は非常にわかりやすい反面ブックマーク方式は少し理解しにくい部分があると思います。とりあえず現在のオンラインカジノでは統計学を駆使して運営しているのだということを押さえておいてください。

知ってた?ハウスエッジの歴史

ハウスエッジはなぜ「ハウス」なのでしょうか?もともとカジノはヨーロッパの貴族たちがバカンスで遊んだゲームを基にしています。貴族たちはバカンスになると自分たちの別荘に同じ貴族たちを集めてトランプゲームなどの賭け事を楽しんだと言われています。その由来から今でもカジノ運営側のことを「ハウス」と呼び、運営者の取り分のことをハウスエッジと呼ぶようになりました。

勝ちやすいギャンブルやカジノゲーム ーハウスエッジから見る有利なギャンブル

ハウスエッジの高低はどれくらい勝ちやすいか影響します。例えば極端な例としてハウスエッジが80%の場合、たとえ勝ったとしても20%の利益しか獲得できないことになりますし、そもそも当たる確率もかなり低くなるはずです。そこで身近なギャンブルからカジノゲーム までどんなゲームが勝ちやすいのかを表にしたのが下の図です。

まず最初の3行は日本で現在運営されている賭け事ですが、恐ろしいほど高いハウスエッジが設定されていることがわかるかと思います。宝くじはみなさんの購入したお金の半分以上を地方自治体が利益として差し引いています。もちろんその地方の財源として活用されるので循環すれば問題ありませんが、正しく使用されていることを願うばかりです。次にそれ以外のカジノゲーム のハウスエッジをいくつか取り上げて紹介します。

スロットマシンのハウスエッジ

スロットマシンはゲーム開発会社によりハウスエッジに差異があるほか、機種によっても変わります。業界最大手の企業を例に見てみましょう。例えばNetEnt社のメガフォーチュンという機種はRTP(return on Player=還元率)を96.6%に設定しています。これはハウスエッジを3.4%に設定しているということです。またPlayTech社のゴールドラリーは97.01%つまりハウスエッジを2.9%に設定しています。またNetEnt社の別のスロットマシンのホールオブゴッズは95.5%、つまり4.5%にハウスエッジを設定しています。機種や開発会社により違いがあるものの日本の公営競技や宝くじに比べてどれだけプレーヤーへの還元率が高いのかがよくわかるかと思います。

ブラックジャックのハウスエッジ

ブラックジャックのハウスエッジは一般的に0.5%程度です。もっともブラックジャックはプレーヤーの知識や経験に大きく左右されるゲームで、このハウスエッジはプレーヤーが基本戦略と呼ばれる方法を実施した場合の数値です。

ハウスエッジのまとめ

いかがだったでしょうか。これまでオンラインカジノだけでなく宝くじや公営競技をやったことがある方でも、ハウスエッジについて深く考えたことがないという方が多かったのではないでしょうか。宝くじや公営競技のハウスエッジがオンラインカジノに比べて非常に高いということも知らない方が多かったのではないかと思います。ハウスエッジを見ることでそのゲームの仕組み自体を俯瞰することができるようになり、遊び方も変わることでしょう。またハウスエッジや控除率について知っていた方でも新しい発見があったのではないでしょうか。これまで知らなかった方は是非次回からオンラインカジノや宝くじや公営競技を遊ぶ際には常に頭に入れて遊んでみてください。

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-Mizuki Yamada

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